2011年05月11日

【アフリカカレンダー2011】5月の写真

あべしょーの写真解説
ライオン親子.jpg



「スワンプ」とは、湿地帯の意味。

くぼ地にできたスワンプは、川とつながり、

さらには湖とつながっている。

スワンプを一周するのには、車で10分はかかる大きさだ。

ほぼ全体に、日本で言う葦の草に近い

かたいパピルスの茂みが広がっている。

このパピルスの根が盛り上がって、広い草の陸地を形成していた。


草原とはまた違う雰囲気のこの美しい場所には、

わたしの苦手なものも住んでいた。

刺しバエの多い事。

油断していると手、顔から足まで、ズキン!と激痛が走る。

「この野郎っ」と平手で叩こうとしても素早く逃げられる。

そんな悔しい思いは、ロッジに戻り、

腫れ上がった刺された部分にキンカンを塗りながら思い出す。。。

そんなスランプの茂みの中に、小刻みな草の揺れを何回も見るようになった。


このとき、スワンプの辺りは、

あるライオンのプライド(群)が縄張りとしていた。

スワンプがよく見わたせる丘の上には、3頭のメスライオン。

それも、よくスワンプの茂みに出たり入ったりするのを確認していた。

それが3週間続いた。



なぜここからライオンたちは離れないのか?

私達は考えた。回答は簡単だった。


草の揺れ動く部分が、

湿地帯の真ん中から、乾燥している外側に向かって

日増しに変わっていった。

そしてこの日、

かたいパピルスの根元を割って姿を見せたのが

赤ちゃんライオンだったのだ。



赤ちゃんたちは、このスワンプの中で生まれ、

母ライオンが戻ったときだけ乳をのみ、成長して歩き出し、

今初めて外の世界に出たのだ。

はじめは親の足元から離れなかったが、それも僅かな時間で、

3頭の赤ちゃん達は思い思いの方向に歩き出し、

親は急いで口に赤ちゃんをくわえて足元に戻す。

それでも他の赤ちゃんが走り出したりして、母ライオンは忙しい。

しかし、遠くに車の音が聞こえると、

本能的に親の足元にかけよった。

親は安全を確認し歩き出すと、赤ちゃん達もそれに従い歩きだした。



やっぱりいつまでも湿気の多い場所にいることは

人間でなくてもいやなのだろうか。

まだよちよち歩きの子供たちは、

懸命に母のあとを追って、サバンナにデビューした。
posted by あべしょー at 13:38| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | カレンダー2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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